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2008年10月06日

何が大事で、何が大事でないか

寺井和雄

  昔、中東に納めた大型ヘリコプタの運航整備・訓練のために現地に駐在していたときのことです。

 ある1機が飛行中に、ドアが外れるというトラブルがあり、幸い、脱落は免れましたが、VIP輸送用の機体であっただけに慌てました。

 

 外れた直接原因は、ドアのロックがしっかりかかっていなかったためでした。普通、ドア・ロックが不十分だと操縦席の計器板に「DOOR OPEN」という警報が出るのですが、出なかった。

 詳しく調べた結果、ロック状態を検知するセンサーの位置調整が適切でなかったために、ロックが十分にかかっていなくても、警報が表示されなかったのです。

  設計図面では、センサーの位置と調整方法は、明示されており、最終的には実機に取り付けた状態で確認し、修正するように指示されていました。 というのは、 機体は飛行荷重を受けると変形して、ドアとその開口部との隙間は微妙に変わるので、いついかなる状態でも、ロック状態を検知しなければならないし、かと いって過敏に反応して、ドアがロックされているのに警報が発せられても困るわけです。

 どうやら、本機の場合、組立時のこのセンサー位置の調整作業が十分でなかったことになります。検査もそれを見過ごしていたようです。

 図面にきちんと指示されていても、その読み手が何が大事であるかの勘所を見誤ると、大変なことになると、私自身、肝に銘じたものでした。このようなポイントを把握する能力は、あらゆる職種で求められます。

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寺井和雄
元・川崎重工業の設計・営業部長。現在はヒューマネット顧問。航空技術分野で歴戦の設計エキスパート
 
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