

2008年11月29日
寺井和雄
私は、小学生頃から工夫するのが好きで、ゼンマイ式目覚まし時計のベルを自動的に止めるようにしたり、自転車の速度を赤・青・黄(赤と青を合成)で表示するように工夫したり(これは成功せず)、柱時計のチャイムに音階を付けてはどうかと考えたり・・・、外で友だちと遊ぶより楽しかったのです。
川崎重工業に入社して間もなく歯ブラシ同士の摩擦力を応用した防振機構を発明し、大型ヘリコプタの計器板に採用されました。また、シーソー・バルブ式の空中消火バケツを発明し、エンジニアリング系子会社に移籍後、製品開発をさせてもらい、“スーパーバケツ”と自らネーミングして売って回りました。
ヒューマネットのある各務原市では数年前の春、大きな山火事があり、消防防災ヘリコプタが空中消火を担って、このスーパーバケツも大活躍してくれました。消火効果は、〈池などから水をいかに速く汲めて、速く撒けるか〉によりますが、それはバケツ底部のバルブ面積の広さに比例するので、在来品の10倍も広いバルブ機構を持つスーパーバケツは、他を圧しました。
しかし、スーパーバケツにも泣き所がありました。バルブ面積が広いために、水が漏れやすいことでした。そこで定年後も、バルブを使わないバケツはできないものか、考えあぐね、寝床の中である時、バケツを横に倒してはどうか、と閃いてバルブレスの消火バケツを発明、友人の力添えで特許出願しました。
「バケツはタテ型」という常識を破った結果、水漏れせず、しかも理論的には5トン、10トンの水も手動で撒ける画期的な装置が生まれました。その特許が、10月、小野木科学技術振興財団から優秀発明と認定・表彰され、助成金もいただきました。いくつになっても社会から認められることは嬉しいものです。
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