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2008年05月20日

航空機設計における維持設計の大切さ

寺井和雄

 設計を志す皆さんへ。

 設計というと、何か新しいものを開発したり、大きなシステムの図面を書いたりするものと思いがちですが、決してそうではありません。もちろん、そういう作業もありますが、多くはもっと地味なものです。

 私の場合、川崎重工での約40年の勤務の中で、ヘリコプタ技術屋として30年、そのうち開発に携わったのは、晩年の空中消火バケツ(4年間)くらいで、あとは機体構造やオプション装備品の維持設計そしてプロジェクト業務でした。

維持設計という言葉、聞きなれないかもしれません。航空機は自動車のように次々と開発したり、モデル・チェンジしないので、ふだんは小さな設計変更、製造時や運用時に生じる不具合の修理方法を考えたり、改良設計を行います。それが維持設計です。

維持設計なんてつまらない、開発をやれる人は羨ましい・・・私も若い頃はそう思っていました。でも後になって、維持設計の経験がどれだけ役立ったか。高価な部材が壊れた場合、それをいかに品質を保って、安く修理するか、を瞬時に考えるクセが消火バケツの開発成功を支えました。

どんな仕事でも大切なのは、それに正面から取り組む心です。大きな仕事をもらっても心ここにあらず、では、良いものはできないし、小さな、一見つまらない仕事でも心を込めて取り組めば宝石のように光ります。

だから、私も若い頃は下積みの仕事が嫌だったのですが、いつか工夫したり、アイディアを出すクセがついてきて、それなりの成果が出、また周りから評価されるようになると、楽しくなってきました。

今後も、ブログにて航空機設計の失敗・苦労話も交え、私の設計体験を書いていきたいと思います。

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寺井和雄
元・川崎重工業の設計・営業部長。現在はヒューマネット顧問。航空技術分野で歴戦の設計エキスパート
 
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