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2008年06月17日

本当の上司の思いやりを理解しよう

寺井和雄

他の仕事と同様、設計作業も一人ではできません。上司や部下、同僚(場合によっては他社の人たち)と一緒にやるものです。

とはいえ、それぞれ分担や責任範囲は決められていて、ある仕事では、自分が若くて未熟でも全責任を持って計画から設計までやらなければなりません。

その際、自分が任されたからといって独断専行しないことです。少なくとも上司の意見を節目節目でヒアリングしなければなりません。ここで気をつけるべきは、耳障りのよいコメントを期待しないことです。

私の経験では、上司に二つのタイプがあります。一つは、部下のやった設計をほとんどそのまま受け入れてくれる人、二つ目は、部下の設計にケチを付けるタイプです。

昔、ヘリコプタに搭載する機器の防振装置を設計したとき、シンプルで、安価で、しかもユニークな機構を考え出し、上司もそのまま試作することを認めてくれました。

ところが、いざ作ってみると、この機構は、思わぬ動きをしたのです。失敗作でした。自分の思考・想像力の無さを嘆くだけでなく、上司の判断の甘さまで恨んだものです(今から思えば、試練を与えてくれたのかも?)

もう一つは、サウジアラビア向け消防ヘリコプターで、消火タンクをワンタッチで着脱する装置を考案したときです。
自信作を考え、上司にお伺いを立てたのですが、あれこれとけちを付けられました。落胆しましたが、なにくそと思い直し、再考しました。

このサイクルを繰り返した結果、最初の案よりもはるかにすばらしい装置が出来上がり、上司もウンと言ってくれました。自分もこのタイプの上司になろうと思いました。

今の若い方は、仕事のやり易さというのか、心理的なプレッシャーの無い上司を好む傾向があるように思います。
しかし、良薬 口に苦しという諺もあるように、自分の成長を考えてくれる上司との関係は「心地よさ」とは別なのです。

その点をよく理解して、設計の仕事をしていきましょう。

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寺井和雄
元・川崎重工業の設計・営業部長。現在はヒューマネット顧問。航空技術分野で歴戦の設計エキスパート
 
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