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2008年07月30日

正面から取り組む心とは

寺井和雄

以前のブログ「維持設計の大切さ」で、「どんな仕事でも大切なのは、それに正面から取り組む心」と伝えました。この「正面から取り組む心」とは、小難しく言えば「目的志向」です。

つまり、常に「誰のため・何のために」に仕事しているかを考えることです。


昔、出向していた鉄道系ヘリコプタ運航会社では、私自身が設計に携わったヘリコプターに保線職員を乗せ、空から新幹線軌道を保守できないか、調べていたのですが、乗り物酔いが続出しました。

 その酔いは、最後部席の乗客に集中しました。
なぜか?客室後部には窓が無かったために、乗客は外界が見えず、酔っ払ったのです。

 このヘリコプタの窓配置は、標準仕様の2列座席にはいいのですが、納入したオプション仕様の3列席で、最後部は窓位置からずれていました。

鉄道会社社から出向中の社長は、さっそく運航部長の私に命じました。「寺井さん、会社に言って、窓を付けさせてください」と。
「いや、そこは、油圧配管や電源ラインが通っていて、窓は付けられません」と渋ると、「それではヘリコプタは売れませんよ。できる・できないではなく、やるか・やらないか、ですよ」と叱られました。

このとき、私は目からうろこが出ました。川重の営業・設計部門に社長の強い意向を伝えた結果、時間はかかりましたが、可愛らしい丸窓が明けられました。

エンジニアは、ユーザーの願いに対し、技術的可能性を考え、できなければ、つい「できません」と返答しがちです。
本来はユーザーの願い・目的に想いを寄せ、やるべしと判断したら次にやれる方法を考え出す、当たり前の思考プロセスの大切さを思い知った次第です。

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坂田誠
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寺井和雄
元・川崎重工業の設計・営業部長。現在はヒューマネット顧問。航空技術分野で歴戦の設計エキスパート
 
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